昨日、ほぼ一日がかりでAltec Lansing 2.5インチフルレンジユニット"L02-013A-08-B"のための小型スピーカシステムのキャビネットが、とりあえず音が出せる状態まで組み上がった。
それで、この状態で試聴してみたところ、
1.音ちょっとこもってる。
2.低音出ない。
3.全体的に音がカタい。よくよく聴いてみると、何だか「鼻がつまったような」響き。
の、大きく分けてこの3つの問題にまず気がついた。
ということは、何らかの調整が必要である。
そして、それがすべて解決できたとき、「Altec Lansing "L02-013A-08-B"小型スピーカシステム」が完成する!!うん、楽しみだぜぃ。
というわけで、きょうはとりあえずできあがったばかりのこのシステムの修正と音質調整である。
まず「1.音ちょっとこもってる」であるが、これは
こういうことをやっており高域の出力が少ないのが明らかである。
プロトタイプで鳴らしていたときは、若干高域が足りないかもと感じてたが全体としてはいい具合に耳に優しい響きが出ていた。
しかし、「箱」が変わると響きも変わってしまう。それは、考えてみれば、赤ん坊でも分かる至極もっともな単純な話である。
ただ、ここまで極端に変わってしまうとは、ちょっと思わなかった......(-_-;|||)
高域が出てないということは、やはり、プロトタイプのときに選定したコイルが0.5mHでは高域をカットオフし過ぎということで、う〜んどぉ〜しよぉ〜かなぁ〜〜新しく小さい単位のものを、今から
秋葉原のコイズミ無線に出かけて買ってこよっかなぁ〜〜、とか考えたんだけどそれは面倒だから、ちょっと乱暴な方法だけれど、この0.5mHのコイルを、エナメル線を巻き出して強制的に容量を減らすことで、高域のカットオフ領域を上げてしまおうという手段を試してみることにした。
ちょっと苦労したけれど、やってみると案外ウマくいった。
少し巻き出して、ユニットに結線して、キャビネットを閉じて、鳴らしてみて。これを何度も繰り返し、最終的には全部で45回巻き出した状態がもっともしっくりくる響きになるようなので、この設定を採用することにした。
これで一つ解決。
次に「低音出ない」。これはわたしの考えで恐縮ですが、1)キャビネットの容量が小さい(なんてったって容量512mLだからネ.....^^;)、2)ユニットの径が小さい(何といっても2.5インチだからネ...)、3)バスレフポート自体の容量が実用的に小さすぎる、からではないかと思う。特に3)がもっとも大きいかも。
ま、1.2センチ径のポートは、それ自体低音を響かせようとするにはいくら何でも小さかったかもしれない...................................っていうかさ、塩ビパイプそれしかなかったんだヨ、それ以外は極端に径が大きいのばかりでサ......言い訳がましいけど。
それに、内径12mm外径17mmサイズの塩ビパイプで、今回のキャビネットに90Hz〜100Hzのバスレフポートを作ろうとするなら、計算上は長さ的に十分だったわけで、設計的に間違いだったわけではなさそう。
事実、ポートに耳をすませば、それなり低音は出てる。ただ、響かない。小さすぎて、音圧エネルギーになりにくいだろうことは分かった。
で、ポートの共振周波数を上げてみるとかしてみるけれど、多少改善するもあまり変化なし......(^_^;)。
う〜む、どうしたものか。
しばらくそうして試行錯誤を繰り返している間に、わたしは自然に「3.全体的に音がカタい。よくよく聴いてみると、何だか『鼻がつまったような』響き」に聞き方がシフトした。
このことと、バスレフポートの調整に密接な関係があることは、実は経験上知っていたので、「もしかしたら......」と思って、いっそのことバスレフポートを外して、ただの「17mm径ダクト」にしてみたら、と思い切ってそれで聴いてみたら。
何と言うことだ!随分抜けが良くなって、ストレスのない、実に素直で気持のよい音が出るようになったではないか!
あれだけか細く息苦しさを感じるような音だったのが、バスレフポートを外しただけで、まるで2.5インチとは思えない、芯のしっかりした紳士的な「音」に激変したのである。
もちろん、低音もそれなり多少出るようにはなったが、想定していたほど音量は上がらなかった、しかし、そんなことは問題じゃない、この、何のつっかえもストレスもない、ストレートな、自由な、そしてこの爽快な鳴り方を聴いてみよ!何とも心地よいのである。
試しに、音を鳴らしながらダクトを指で塞いだり空けたりしてみた。明らかに響きに大きな差がある。
この設定で、クイケン:ラ・プティットバンドの「モーツァルト レクイエム」を聴いてみる。最高!美しい!何とも美的な彼らの演奏がそこに展開された。
やはり、このスピーカはオーディオ用としても十分に使える品質である。これは、当初想像すらしていなかった性能である。
バスレフポートを通すために空けた穴が、こんな風にユニットの響きを助けるためのダクトとして機能してくれることになろうとは.....嬉しい誤算である。
キャビネットにダクトを作るということは、空気の通りを良くしてユニットの動きを助け、伸びのある素直な響きにできるとともに、キャビネット内の響きを外の空間へ放出することでもある。
キャビネット内の響きは、ダクトのところで直接耳で聞くと何だかあまり心地よくない、ボワボワしたような音であるが、これをバッフル板前面のユニット自体からの響きに適切にミックスさせることで、音に「厚み」を与えて結果的にわたしが感じたような、芯のある紳士的な響きを作っている、ということなのだろうか。
アコースティックギターは、丸い穴が空いている。あれと同じことなのだろうと思ったし、この瞬間、自作スピーカの醍醐味とは、「箱」を作ることで自分の望みのスピーカの響きを自分が好きなように作っていくことであることに気がついた。そして、奥が深い。
そうして、残りの問題もすべて解決したと見て、しばらくこれらの設定でいろいろな音楽をかけて聴いてみたりした。
OK!!これでいこう!!!
吸音材はあの「濾過フィルター」を少量使ってます。コイルを底板に瞬間接着剤で接着して、裏バッフル板をネジで確実に止めて、一気に完成へ突き進む!
板が割れないように慎重に.....。一度ネジを通してしまえば大丈夫だから。
さ!とりあえず、ひととおり
完成です!!
わぁ〜い!!できたぁ!!\(^o^)/どうですか!?カッコイイでしょぉ〜〜!!?
せっかくなので、ステッカーも作ってしまいましょう。
パソコンでデザイン、Altecのロゴはネット上で拾ったもの、これと独自の文字で作成してしまいます。
今回作ったこのシステムは、今までの中でかなり小型なので、小さいを英訳して「スモール」、そこから「スモール・スピーカ・システム」として、英語の頭文字から「
3S」命名した。
そのステッカーを写真画像としてtiff形式でファイルを出力し、コンビニエンスストアにあるコピー機で印画紙に出力して、それを切り出して両面テープで貼付ける。
こうして、Altec Lansing 2.5インチフルレンジユニット"L02-013A-08-B"による小型スピーカシステムが誕生した!