というわけで、1月10日にこの企画を始めて2ヶ月余で、ようやく自作スピーカの完成までたどり着いた。
スピーカの自作に関しての情報はネット上に様々あるけれど、自作の工程そのものを記録したブログなどはどうやらほとんどないようなので、世間の役に立つかどうかは全然気にせず、「だったら。自作スピーカを作っていく、それをただひたすら記録していくだけのブログを書いてやろうじゃないか」というのが、このブログを始めた動機である。
一番最初の記事でも書いた通り、わたしは何機種かの自作スピーカの「作品」を作ってきたので、それで自室はもう置き場所がないほどにスピーカだらけの様相を呈し、家族も呆れている。「またスピーカ作りたい」と呟こうものなら「いい加減にしなさいっ!!」と、とりわけ母親に怒鳴られるのである。
それでも、どうしても作りたくなった。そこで、もういい加減に今作が最後、それも場所をほとんどとらない小型のものと決めて、今回は悩みに悩んで
Altec Lansing "L02-013A-08-B"という2.5インチのフルレンジユニットを選び、当初は「自作スピーカを作る喜びと楽しみを味わえれば」と音質はどうだっていいって言ってたのが、ユニットの性能が音質的に思いのほか高いことから、最終的には「鞄に入れてどこへでも気楽に持ち運べて、どこででも"素敵な響きで素敵な音楽"を楽しめる、そんな小型システムを作る」ことが目標となってしまった。
このブログでは、ユニットの選定と購入、プロトタイプの作成とユニット自体の基本的な音質のチェックとシステムの組み立ての構想、ユニット自体の音質調整、スピーカキャビネットの設計と木材の調達、組み立て、「箱」の調整、そして完成までのすべての流れを記録してきた。
わたしが予想してたことはもちろんであるが、実際に完成したときに、思いもよらなかったアクシデントがかえって「システムを生かす機能」となってくれていたりと、良い意味での想定外なこともあって、今回の自作スピーカ作成は、それまでとは違う意味で随分楽しかったと思う。
そして、出来上がった作品は、当初の想像をはるかに超えて、Altecトーンを響かせてくれる素敵な素敵な、素晴らしいシステムが完成してしまい、大満足な結果となった。
自作スピーカは、たいてい「出来上がってみなければ分からない」ものなので、これはとても運がいいことだろうと思う。
いろいろな「運」が重なって、素敵な作品が出来上がって、わたしのスピーカ自作に花道を飾ることができたのではないかと、嬉しく思っている。
これをお読みの皆さん。スピーカの自作は楽しいよ!そして、「自分だけが楽しめる自分だけの音」を、箱を作ることで自分が生み出すことができる、そしてそして、自分が作り上げた特別な響きで自分が日々愛する音楽を聴き、その喜びに浸る…….これが醍醐味です。
ネットには、いろいろな情報がありますので、「やってみようかな」と思い始めたら、是非!情報を調べて、一度やってみてください。
ここでひとつだけ気をつけることを言っておきます。作るのは絶対に「1作品だけ」としなければならないと、これだけは申し上げておく。お兄さんとの約束だよ!!破ったらわたしのように「じゃんじゃん作ってそれでも作り続けて家に置き場所がなくなって家族に白い目で見られる」ことになるからね!!それだけ、ハマってしまう男のくだらん趣味なのである、自作スピーカというのはさ。
というわけで、繰り返しになるけれど、ユニット入手からキャビネット(エンクロージャ)の作成、音出しまでを写真と文章でひたすら綴ってきたこのブログが、もしあなたがスピーカを自作することになった場合に、少しでも何かヒントになるなど役に立つことがあれば、とても嬉しく思います。
オーディオにおける、あなたにとって素敵な「相棒」を、そしてあなただけの特別な「音」が手に入りますように!