というわけで、このたび、わたしにとって最後の自作スピーカの作品となる、Altec Lansing 2.5インチフルレンジユニット"L02-013A-08-B"による小型スピーカシステム『Altec Lansing L02-013A-08-B Small Speaker System "3S-04T.Okino"』が誕生した。
次は、その完成度の高さを論理的に視覚化してその具合を見てみる「インピーダンスの測定」である。
スピーカのインピーダンスを測るといえば、特殊な計測器具が要りそうな感じがするが、もちろんきちんと正確に測るならば確かにそういうことになると思うが、ちょっとした工夫をすれば、パソコンで簡単に測ることができる。
そのためのソフトも、代表的なのは「MySpeaker」などネット上にはいろいろあるが、わたしは「LIMP」の試用版を使っている。

インピーダンスの測定の様子。「ザァァァ〜〜〜ッ」という信号をスピーカに流して、元の信号とスピーカを通してみた信号とのレベル差を測ることで検知しているようである。よぉ〜く写真を見てみると、どのような具合で測っているのかひらめいていただけると思う。詳しくは「LIMP」を調べてみてください。
そして、取得できたグラフがこれです。
右と左でグラフがそっくりでないのは「個体差」があるからなので仕方がないにしても、どちらもほぼ同一のグラフになっている。これは、まず「箱」の完成度の高さを示している。理論的に、左右ともほぼそろった響きを出力できることが分かる。
もしユニットのコンディションが揃っていなかったり、キャビネットの完成が不完全たとえば密閉がうまくいってなかったりすると、バスレフの共振周波数がばらついたり、どこかでフラつくようなグラフになったりと、それと分かるような不具合を示すグラフになる。
今回はそのような「支障」はほとんどないようだから、これ以上の調整は不要と判断して良いだろう。
山がふたつ存在しているから、今回作ったスピーカシステムは立派にバスレフ式である。ただ、山どうしがかなり近いのが奇妙だし、なぜそうなっているかというと、ポートの共振周波数が「203Hz程度」と、ピアノの音程で言うところの

に相当する音域だからで、ま〜これではほとんど「低音再生」としてはまるで役に立ってませんな。
しかし、バスレフやめてただのダクトにしたところ「響きに塩梅の良い厚みが増して紳士的な音になった」のは、結局のところ、この「やたら周波数の高いバスレフポートとしての動作」によってのことだったわけだね。
グラフでは、ほぼ理想的な動作のようだから、せっかく良い響きになっているところ、これ以上手を加える必要はなかろう....。
というわけで、このシステムのインピーダンスはこんな具合です。
以下、スペックを.......。
実測インピーダンス:7.2Ω@697.9Hz(公称8Ω)
ユニット共振:260.5Hz@35.9Ω
ポート共振:203.2Hz@8.9Ω
許容入力:5W